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お役立ちコラム

介護食の「ムース食」の作り方とやわらかくする方法を解説します

高齢者に安全に美味しく食事を摂ってもらうため、介護食は一人ひとりの食べる力(噛む力・飲み込む力)に合わせて提供する必要があります。
介護食には「きざみ食」「ソフト食」「ミキサー食」「流動食」などの種類がありますが、中でも飲み込む力が弱い方に向いているのが「ムース食」です。
この記事では、介護食のムース食の作り方や、食材をやわらかくする方法をご紹介します。

介護食のムース食とは?作り方が難しいのがデメリット!


老人ホームなどの施設で高齢者に適切な食事を提供するには、まず介護食にどのような種類があるのかを知っておかなければなりません。
ここでは、ムース食を含め介護食の種類や作り方、ムース食のメリット・デメリットをご説明します。

介護食の種類とムース食とは?


介護食の中でも「ムース食」は、通常の食事を細かくすりつぶし、とろみ剤などで固めて作る食事のことです。
プリンのような見た目に仕上がるのが特徴的で、柔らかさもあるためスプーンでつぶして食べることができます。
舌や歯茎で細かくすることができるため「噛んだり飲み込んだりする能力が著しく低下している人」あるいは「きざみ食やソフト食を食べることが困難でも、ミキサー食や流動食にするほどではない人」向けの食事です。
介護食にはほかに以下の4種類があります。

・きざみ食
食材を小さく刻んだ食事。噛む力がやや弱い人向け。

・ソフト食
食材を柔らかく仕上げて歯茎や舌でつぶせるようにした食事。食べる能力がやや低下した人向け。

・ミキサー食
食材をミキサーにかけてペースト状にした食事。食べる能力が低下した人向け。

・流動食
食材を具なしの液状にした食事。食べる能力が低く、胃腸が弱くなった人向け。

ムース食のメリット・デメリット


きざみ食やミキサー食は形や色合いが悪いため、食欲が低下しやすく、高齢者の低栄養を招くことがあります。
ムース食のメリットは、通常食と同じような見た目や味、香りを楽しむことができる点です。
食欲を低下させないため、少量でもしっかりと栄養を摂ることができます。
また、水気が少なく口の中でまとまりやすいため、誤嚥(ごえん)を防ぐこともできます。
誤嚥とは、食べ物が誤って気管に入ってしまうことです。
高齢者の誤嚥は誤嚥性肺炎に繋がる恐れがあるため要注意です。
誤嚥性肺炎は近年増加している病気で、死に至る可能性もあるため軽視できません。
その一方、ムース食は作り方が難しい点がデメリットになります。
介護食の中でも食材の硬さを調節し、見た目を整える工程が必要な食事といえるため、一般家庭や施設で作るのは少々手間がかかるでしょう。


ムース食の作り方とポイントを伝授!食材をやわらかくする方法とは?


実際にムース食を作るにはコツが必要です。
ここでは、ムース食の作り方やポイントなどをご説明します。

ムース食を作るのに必要な道具


・ミキサーもしくはフードプロセッサー
茹でた食材をつぶすための必需品です。
すり鉢でも代用できますが、滑らかにすりつぶすのに手間がかかります。

・ヘラ
ムース食の表面を平らに整えるために使います。

・蒸し器
ムースを蒸して仕上げるときに使います。
電子レンジや深さのある鍋で代用可能です。

・流し缶
ムースを蒸すときに食材を取りだしやすくします。

・絞り出し袋
食材を通常食の形に近づけるために使用します。ビニール袋でも代用できます。

・手袋、食品用アルコール
食中毒の予防や食事、食器に細菌が付着するのを防ぎます。

ムース食をやわらかくするポイント


ムース食はプリン程度の固さを目安にしてください。
食材を個々にミキサーにかけ、とろみ剤を加えて作ります。
このとき、とろみ剤として使えるのは介護食用に市販されている製品のほか、片栗粉やゼラチン、コーンスターチなどです。
肉や魚介類などをやわらかくふんわりとさせるためには、卵白を加えてミキサーにかけるか、予め泡立ててから混ぜると良いでしょう。
また、ムース食においてはスープなどの液体にもとろみをつける必要があります。
介護食でのとろみはスプーンからサッと落ちる程度、とろとろと落ちる程度、落ちにくい程度の3段階に分けられますので、要介護者の食事の様子に合わせて強弱を付けましょう。


まとめ


今回ご説明したとおり、介護食のムース食は仕上がりの固さやとろみの程度が非常に重要となります。
提供する食事が適切でないと、高齢者の健康を害する恐れもあるため、「噛みづらそうでないか」「飲み込みにくそうではないか」などを見ながら、正しい判断をしなければなりません。
施設でムース食をつくるのは人手も必要ですし、一人ひとりに合わせて食事の形態を変えるのも大変なことと思います。
施設の食事における不安やリスクを解消するために、企業の調理済み食材を提供するサービスや給食委託サービスのご利用もぜひご検討ください。

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