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お役立ちコラム

高齢者の食事の注意点とは?

高齢者の食事が進まない状況が続けば、なにより健康面の不安が膨らんでしまいますよね。
同居・別居にかかわらず、高齢者が食べない状況にお悩みの家族は少なくありません。
ここでポイントとなるのが、食べない理由の見極めと、最適と思われる工夫と配慮です。
今回は家族として理解しておきたい、高齢者の食事に関する大切な知識を紹介します。

高齢者が食事を食べない理由


高齢者が以前と比べて食事を食べなくなる理由として、加齢による心身の変化があげられます。
若い世代が自分たち基準で高齢者の食事を考えてしまうと、以下の食べない理由を見過ごしかねません。
まずは高齢者の体調や心理状態の理解に努めることで、問題改善の糸口を見定めましょう。

味覚の変化・低下


加齢による味覚の変化には個人差がみられます。
感覚の衰えに伴い、濃い味を好むようになる人もいれば、刺激を嫌って薄味嗜好になる人もみられます。
また「おいしい」と感じづらくなることから、食事そのものへの興味を失い、栄養不足につながるリスクが高まります。

噛む力・飲み込む力の低下


体力の低下が避けられない高齢者にとって、食事を噛みくだいて飲み込む行為は、大変な労力を伴う作業です。
さらに入れ歯など義歯の不具合が重なれば、食べるという行為そのものが苦痛と感じられてしまいます。

気力の低下


高齢者同士もしくは独居の高齢者の場合、気力の低下から、調理作業そのものが億劫(おっくう)と感じられがちです。
結果買い食い中心となり、1度に食べられる分量も少ないため、同じ食材を複数回食べ続けることになります。
こうした偏食が続くことから、栄養バランスの悪化だけでなく、生きる気力自体のさらなる低下が心配されます。

高齢者の食事にみる問題点


多くの高齢者に共通してみられる問題点が、食事を食べない傾向が続くことによる、栄養状態の悪化です。
とりわけ近居見守り(介助)のスタンスの家族の場合、日々の食生活の把握が、自ずと難しくなりがちです。
また大勢で食卓を囲み、大皿に盛られた献立を取り分ける場合も、食べ具合の見極めは簡単ではありません。
高齢者の食事の世話と管理に際しては、とりわけ以下のポイントを踏まえ、対象者を冷静に観察しましょう。

偏食・少食


人間の三大欲のひとつとされる食欲ですが、高齢者にとってはこれを満たすこともまた、疲れを伴う作業です。
食べるという行為に伴う疲労感を嫌い、食べたい食事を食べ切れないケースはめずらしくありません。
結果、食べやすいもの・好みの味付けのものだけを食べて、途中で「ごちそうさま」を繰り返してしまいます。
こうした食生活が続く中、偏食・少食傾向が加速し、十分な栄養分を摂取できない悪循環に陥りがちです。

食事に対する興味の衰え


加齢に伴い「次第に上手に食事ができなくなる」「風味を楽しむ感覚が薄れてしまう」という高齢者は少なくありません。
せっかく作ってもらった食事を残し、家族に迷惑をかける心苦しさは、若い世代には理解が難しい、高齢者が抱える心の葛藤です。
食事という行為から目を背けることで、自身の居場所を確保しようとしているのであれば、早急かつ適正な対応が望まれます。
心のケアもまた、高齢者の食事を考える際に無視してはならない、大切なレシピです。

高齢者の食事に関する注意点


医療もしくは高齢者介護施設では、高齢者それぞれの食事能力に合わせた調理方法を実践し、より食べやすい食事を提供しています。
加齢という現実を無視し、昔からの好物を提供しても、本人は食べられない可能性があります。
料理を用意する家族が「せっかく好きな料理を出したのに、なぜ食べてくれないの?」と、疑問や不満を積もらせてしまってはなりません。
かつてはその歯応えが大のお気に入りだった料理も、現在は食べるのに一苦労である可能性が潜んでいるのが、高齢者の食事です。
「安全に無理なく食べられる」「おいしく楽しめる」を最優先に、高齢者が食事を食べない状態の改善方法を考え、実践しましょう。

調理法


調理法のポイントは、より噛みやすく・飲み込みやすくする工夫です。
噛みやすい食材は、唾液分泌量が減少した高齢者の咀嚼(そしゃく)を助け、飲み込む作業を後押しします。
肉や魚類であれば、一口大に切り、噛み切りづらい脂身部分などは取り除き、叩いて柔らかくします。
野菜類は十分加熱し、歯茎で潰して飲み込める柔らかさに調理します。
歯応えのある野菜の皮は剥いて外し、切れ目を入れ、葉物野菜は柔らかい部分だけを使用します。
必用と判断すれば、食材を煮崩れるまで加熱する、裏ごしする、ミキサーにかけるなどの調理も有効です。
また見た目にも楽しくおいしそうな料理は、食欲増進につながります。
盛り付けに一工夫凝らすことでも、高齢者の「食べない」の改善効果が期待できます。

食事の際の姿勢


高齢者の安全な食事と切り離せないのが、正しい食事姿勢の確保です。
食べづらい姿勢を強いてしまうと、食物や唾液を誤って気管に送り込んでしまう、誤嚥(ごえん)を生じるリスクが高まります。
椅子に座っての食事であれば、背筋を伸ばしてやや前傾姿勢を保ち、足が宙ぶらりんにならないよう注意します。
ベッドでの食事であれば、背もたれを十分に起こし、後頭部はクッションで守り、足がずり落ちないよう、やや前傾姿勢を整えます。
仰向けの食事は極力避け、飲み込んだ食べ物がスムーズに胃に送り込まれる、自然な姿勢を意識したセッティングが大切です。
また高齢者自身がきちんと目覚め、意識を持って食事ができる態勢が整っているかどうかも、その都度必ず確認しましょう。

食卓環境


高齢者が独りぼっちで食事をする孤食は、独居者だけに限らず、家族が同居する家庭内でもみられるライフスタイルです。
しかし、食事の醍醐味のひとつである「笑顔で一緒に食べる楽しさ」が感じられず、偏食・少食につながる可能性もあります。
栄養不足から筋力が衰え、心身の張りを失った結果、要介護状態となる時期を早めてしまってはなりません。
孤食傾向がみられる高齢者に関しては、家族や近隣の人たちと食卓を囲む機会を整え、本人に疎外感を覚えさせない配慮が求められます。
ただし高齢者の中には、大勢の輪の中が苦手な人もみられるため、個人の性格を考慮の上、共食を無理強いしない気配りも大切です。

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